Sixth Scence-見えない世界を感知すること【木霊の舟_羊の星】

Exhibition

「娘が、集合写真を見ていたら急に“おりて”きて
 “この人は天を駆ける馬に縁がある” “この人の前世はクレオパトラ”
 と解説してくれたのが興味深かったので、皆さんにシェアしますね」
と、仙台にいるまゆみさんから連絡があったのはかれこれ2年前のこと。

前世がクレオパトラだったのはOMOMUKIを一緒にやってるMAYOちゃん。
「イメージそのまんまだ!」と、その場にいた一同全員で大納得した。

わかるよわかる、で、私は?!

「さおりさんはね、娘がケラケラ笑って“この人おもしろい!何て賑やかで
 楽しいんだろう。森?こびと?何か木の実が転がるような楽しい音が
 する。面白い♡”って笑いながら教えてくれました」と。

ん〜 前世でお姫様とかじゃなく、面白いんだ…と、意外すぎて大笑いした。


私が会話の中でよく使う言葉に「第六感」を意味する
英語「Sixth Sense(シックス・センス)」がある。
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を超えた、
直感や予知などの超自然的な能力を指す言葉だ。

「見える世界」と「見えない世界」は表裏一体で、
見えない世界と繋がり、そちらから情報を受け取っている人のことを
見える世界では「シックス・センス(霊能など)を持っている人」と
表現することが多い。

私はこの「シックス・センス」は本来、誰もが持っているものだと
思っている。

役割や感受性の違いによって、
日常的にそこへアクセスできる人は多くはないのかもしれない。
けれど、誰にでもある「ふと閃いた」「なぜかわかる」といった直感。
そういうものもまた、シックス・センスを自然に使っている瞬間なのだと
思う。


「このお店、木霊がいますね」
ダーチャ(しまくま堂)でひらく個展の打ち合わせのため来札した、
まゆみさん。その時、一緒にみえた娘のまりなちゃんがそう教えてくれた。

そう、以前、写真の中の私をみて「楽しい」と爆笑した、あの娘さんだ。

そしてこの時、彼女が写真を通して感知した“こびと”の正体が判明した。
それは、しまくま堂の隣人でもある友人・H氏のことだった。

H氏とまゆみさんは、奇遇にも宮城県石巻市の出身。
さらにH氏も、仙台に住んでいたことがあるという。
不思議だけれど、縁というものは、こうして静かに繋がっているのだろう。

その写真は街中の商業施設で撮影したものだったため、
しまくま堂が森のすぐ近くにあることは、わからなかったはずだ。
けれど、この場所を共用している隣人同士の息吹のようなものが、
写真を通してまりなちゃんに伝わったのかもしれない。

まりなちゃんに「木霊がいる」と言われた時、
私の中に浮かんだのは怖いという感情ではなく、
「やっぱり」という感覚だった。

しまくま堂は、古いもの、自然のもの、時間をまとった物たちが
集まる場所だ。植物や鉱物、遠い国や時代から来た「誰かの記憶」を
運んできたものたち。
それらが静かに息づくような空気が、ここにはある。

まりなちゃんは、私のことを「空間を司る人」と表現した。
私は帽子が好きで、その日もベレー帽をかぶっていた。
頭と帽子のあいだにも「空間」があって、そこにアイディアや木霊たちが
賑やかにひしめきあっているのだという。


私はインテリアのレイアウトを考え、模様替えするのが大好きだ。
そしてふと、それは、イメージと言葉を連ねて文章を紡ぐこととも
通じているのかもしれない、と思った。

空間を司ること。
それは、私にとって光栄な役割のように感じられた。

真っ白な雪の世界になったしまくま堂で、
まゆみさんが作品を委ねてくれ、
それをここで展示するということも、また光栄な出来事だった。

まゆみさん自身、とても不思議な女性だ。

初めて出会ったとき、私は世界各国の雑貨を扱うショップが揃った
イベントに出店していた。
まゆみさんは、その時、方位を取るある占術の勉強で来札していた。

インスタグラムで繋がり、彼女の羊毛フェルトの世界観に
私はガツンと心を掴まれた。
アーティスト名は「草森羊 くさきひつじ」さん。
いつか、この世界を身近で体感したい。
そう思っていたことが、今、現実になった。

個展タイトルは
「木霊の舟 羊の星」

2026,1,10 sat- 2,20 fri

しまくま堂 店内企画展

🐏

美しい冬の森で聞こえた微かな声は
いつしか小さな舟となり
ひとつの星へと向かう
道しるべになることでしょう

羊毛の静かな光とともに
内なる旅路をたどる小さな展示を
どうぞ感じてください。

羊毛フェルト作家 草森羊
Instagram @kusakihitsuji

🐏💫

安心する場所
長く居たくなる場所
言葉にできないけれど、なぜか落ち着く場所

まりなちゃんの「木霊がいる」という言葉を
私は「この場所が、ちゃんと生きている」という表現として受け取った。

人の手で作られ、使われ、愛され、時間を重ねてきた空間が
自然と共鳴している─そんなイメージ。

本来、誰もが持っているシックスセンス–第六感の感覚。

忙しさや情報に覆われた日常の中で
私たちは、感じる力を少しずつ閉じてしまう。
だからこそ、その力を思い出すような場所が必要なのだと思う。

しまくま堂が、そんな場所であり続けられたら嬉しいな。

text: OMOMUKI/ CIMACUMA SAORI

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