北海道最大の音楽フェスといえば、来場者数8万人を誇るRISING SUN ROCK FESTIVAL。
道内各地でもここ10年ほどで、大小さまざまな規模の音楽フェスが続々と誕生している。
ただ大抵のフェスは欧米からの流れを汲むメジャー音楽を扱うが、民俗音楽&舞踏をテーマにしたマニアックな音楽フェスが、なんと函館で17年目を迎えた。
日本国内でもめずらしい異色フェス「はこだて国際民俗芸術祭」を、今回は現地よりリアルタイムでレポートしたい。
「はこだて国際民俗芸術祭」は函館の元町公園を舞台に、世界中のあらゆる国から民俗にまつわるミュージシャン&舞踏団を招き、また国内の大道芸人も招聘した野外フェスティバル。
主催の「ひのき屋」は函館で結成した5人編成のバンドで、海外公演での経験から地元函館に海外の素晴らしいアーティストを呼んで紹介したいと2008年にスタートした。
来場者数は2~5万人と年によって変動があり、毎年8月5日~11日の7日間開催を基本としている。
会場内には世界と関わりのあるフードブースと物販ブースもあり、私は「みんたると世界民俗雑貨店」という合同店舗で出店中だ。
5つのステージでは、アーティスト&大道芸人が入れ替わり立ち替わりのステージプログラムが組まれている。
客層はとにかく幅広く、20〜40代をメインにしつつ、子ども連れのファミリー層から近所のおじいちゃんおばあちゃんの姿も見かける地域密着型のフェスだ。
今年の海外勢はメキシコ、コロンビア&ベネズエラ、コンゴ&ガボン、ブラジル、台湾。
そして日本在住の海外アーティストはエクアドル、ウクライナ。
また異国を感じる日本人アーティストも多数出演している。
今年の目玉はメキシコの舞踏団「グズマン・バレー・フォークロリコ」。
4人編成のマリアッチの伴奏とメキシコ各地の民族舞踊を踊る華やかなダンサー陣が、観客をすっかりトリコにしてしまった様子。
ここで紹介したいところだが実はまだメキシコのライブを観ていないので、詳しくはメキシコ雑貨こらそん 貴子さんのレポートをお楽しみに!
(貴子さんと交代で店番しながらライブを観に行っているので、彼女は南米勢のステージ担当、私は日本人アーティストを中心に観覧。なので今回のレポートは国内アーティスト多め!)
追記
本日メキシコのステージを観ることができ、すっかりその魅力にヤラレてしまった。
ノリノリの生演奏にのせて、色あざやかな民族衣装を着たダンサー男女がスカートワークや足技を使った華やかなパフォーマンスを披露。
明るく陽気なラテンの王道といったステージで、誰もが一瞬でメキシコファンになってしまった。
ただメキシコの民族舞踊とはいっても、先住民族の言語ではなく歌はスペイン語でフラメンコのような足技が入る点が気になってしまった。
16世紀から南米各地を征服&支配していたスペインの、先住民族の言語を奪って民族同化を強制する植民地政策によって、民族舞踊もスペイン風味になってしまっているのだろう。
この辺りの詳細は、メキシコ在住経験のある貴子さんのレポートを待ちたいと思う。
芸術祭は何といっても大道芸人の存在が大きくて、芸人と観客の盛り上がりがライブに負けず劣らずなのだ。
音楽、ジャグリング、ピエロ、アクロバット、パフォーマー、などなど、熟練した技の数々でどんな観客をも笑顔にしてくれる。
大道芸人たちは観客との距離が近いステージでパフォーマンスして、ラストはお客さんからお気持ちを受け取るスタイル。
このお気持ちが大道芸人たちのギャラになるので、皆さんぜひ課金してね!
今回大阪から出演のユニット「チョイスちゃん」は、バイオリンの相方が入院のため出演できず、ギター&歌の西沢さんのみのライブとなった。
そんな「チョイスちゃん」のライブでは、アーティストと大道芸人たちの協力で当日限りのコラボが実現した最高のステージを目撃した。
西沢さんのうれしそうな笑顔が忘れられない。
音楽とダンスは一瞬で心と心をつなぎ、あたたかなエネルギーで場をひとつにする最高のツールだ。
そこには言葉も必要なく、ジャッジも不要、そして競争も排除も差別もなく、ただただ心の奥底にあるあたたかなものでつながるだけ。
だからこそ古の時代より世界中で音楽とダンスが栄え、人々はその時間を大切にしてきたのだろう。
「はこだて国際民俗芸術祭」は世界の民俗音楽に生で触れることのできる貴重なイベントで、各国の芸術文化を通して私たちはその源泉を垣間見ることができる。
ぜひ近い将来ロシアの楽団&舞踏団の再出演が実現し、国の事情を超えて民間で交流できることを願っている。
個人的には中東のアーティストがたくさん出演することを切望ー!
私のインスタに芸術祭のリール動画があるので、興味のある方はぜひステージをチェックしてみてほしい。
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