いれいはりきゅう院式「食養生」のおかげで、娘が救われた話。

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いまから3年前の2022年、小学5年生の娘が歩けなくなるほどの腹痛で緊急入院した。

札幌市内の病院に救急車で運ばれ、検査の結果 腸閉塞で苦しんでいることがわかった。

娘は幼い頃から便秘がちだった訳ではなく便も出ていたので、疑いもしなかった病名に驚いたことをよく覚えている。

痛みの強い3日ほどはほぼ絶食状態で、その後少しずつ食事ができるようになった。

10日間の入院となり、西洋医学的には「娘は腸の働きが弱い」という診断となった。いわゆる原因不明といったところだ。

便を出しやすくする薬と整腸剤を毎日飲むこと、食べ物は何を食べてもいい、お腹が痛くなったらまた受診するように、と根本的な改善がわからないまま日常生活に戻ることになった。

すると1ヶ月を経った頃にまた便が少量になっていき、お腹が重く痛くなってしまった。

このままずっと薬を飲み続け、お腹が痛くなることを繰り返すのかと、娘の将来を考えて気持ちが滅入りそうだったときに思い出したのが、いれいはりきゅう院式「食養生」だった。

はじめて娘とふたりで旅した沖縄。まだコロナの名残が残っていたので、旅行支援で飛行機もホテルも格安だった(笑)。

以前さとうみつろうさんのブログ「食養生」を知って興味をもっていたところ、私のメンターである山田眞佑里さんも食養生リトリートをはじめ、娘の症状も根本改善できるかもしれないと沖縄の伊禮鍼灸院(いれいはりきゅう院)に娘を連れて訪ねてみることにした。

ぶっちゃけてしまうと「食養生」の内容を多少知っていたので、そのストイックさに恐れをなして自分にはムリだとはなから諦めていたのだが、娘が切羽詰まった状況になったので腹を決めて取り組むことにしたのだ。

結論から言うと「食養生」のおかげで、娘が救われ、オマケのようにダンナも救われ、そして私と家族の人生も大きく変わった。

娘は「食養生」以降は腸閉塞になることはなく、ダンナは健康診断で必ず引っかかっていた高脂血症が改善。
さらに痛風がなくなり、アトピーも軽くなり、余分な脂肪が7kgも落ちて体が軽くなった。

私は過敏性腸症候群の症状がなくなり、花粉症とアレルギー症状も劇的に軽減。
そして何より食べ物に対する意識が大きく変わったことで、家族の健康を守るための重要な柱をもつことができた。

もし「食養生」に取り組まなかったら娘は腸閉塞を繰り返し、腹痛と絶食で学校も休みがちになったり、いま全力で打ち込んでいるバスケも続けることが難しかったように思う。
そしてダンナも薬漬けになり、生活習慣病まっしぐらで短命だったかもしれない(笑)。

沖縄本島の世界文化遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」は琉球王国最高の聖地。写真奥が御嶽。

いれいはりきゅう院式「食養生」とは?

伊禮伸子

元来、私たちの身体は、何を食べてよいか、何を食べたら悪いかを知っています。
食べてはいけないものを食べると、症状となって教えてくれます。
症状とはゲリ、湿疹、高熱、痛み、咳、頻尿などです。

これらの症状が出た時、病気になったと安易に決めつけてはなりません。
身体は悪いものを食べると、これを排出しようとして一生懸命に反応しているのです。
自分の症状がなぜ出たのか、生活状況や食事内容を振り返りながら考えてみましょう。
普段から自分の身体をよく観察していると、その関係が分かってくるはずです。

私たちは症状が出ると、ゲリにはゲリ止め、湿疹には軟膏、高熱には解熱剤、痛みには鎮痛剤、咳には咳止めなどを使い、症状がなくなると身体が良くなったと勘違いします。
しかし実際には、薬が症状を抑えているだけです。

症状が出るということは悪いことではなく、きちんと身体が反応できている証拠です。
ですから身体の状態が良い人ほど、悪いものを食べるとすぐ症状として現れます。

私たちの身体は食べ物からできています。
私は来院される方、一人ひとりの食べ物をチェックして、そのことを実感しています。

「大切なことは、何を食べるかより、何を食べないか」

来院される多くの方々にパワーテスト(筋反射テスト)を行うと、脳下垂体、視床、視床下部、松果体に反応します。
これらの臓器は身体のホルモンバランス、情動(喜怒哀楽)、自律神経のコントロールをしています。

睡眠ホルモンの出が弱い人は眠れない、夜中に目を覚ます、朝起きるのがつらい。
甲状腺ホルモンは皮膚湿疹、シミそばかす、冷え性、頻尿、身体中の痛み、めまい、おねしょ、生理痛、肥満、異常な体重減少。
自律神経は不安、うつ、やる気が出ない、便秘、ゲリ、動悸、高血圧などに影響します。
情動は不安、心配性、神経質、人の言うことが気にかかる、イライラするなどです。

これらの症状は、食養生を行うことで大きく改善されます。
基礎疾患(高血圧、糖尿病、ガンなど)のない人は、3ヶ月間しっかり食養生を行うことで身体に出ている症状が改善され、これ以降の食事は何でも食べられるようになります。
短期集中的にしっかりと食養生を行えば、約3か月ほどで改善されますが、不十分な食養生では1年以上の時間を要することもあります。
ホメオパシーや漢方薬、鍼灸、運動などを併用すると、より結果が出やすくなります。

生まれ持った体質は変わりませんので、天気が悪化したり、ストレスが出たり、環境が変わることで症状が出てくることがあります。
自分の身体の状態をよく観察して、症状が出た時は、食養生に取り組んでみましょう。

心と身体を整える「食養生」より転載-

次号へ続きます。

text: OMOMUKI magazine / CHAKA MAYO

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