「食養生」の実践編 ~ 食べてもOKの食材について

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食養生シリーズの第三回目は、食養生中に食べても大丈夫な「OK食材」を紹介しよう。

この情報は実際に現地を訪れた2022年12月のもので、その後追加や変更のある可能性もあるので、その点はご理解いただきたい。

第一回目の記事『いれいはりきゅう院式「食養生」のおかげで、娘が救われた話では、娘を含めた家族全員の不調が治まり、健康状態が驚くほど改善したことを記した。

そして第二回目「食養生」の実践編 ~ 食べてはいけないNG食材について』は、食養生中に食べるのを止めることで脳のエラーをリセットして、体の不具合を根本から改善するというやり方を綴った。

OK食材だけで食事の支度をすると、戦前の日本の食生活にかなり近いことに気づく。

戦後の経済復興とともに肉や乳製品、卵の消費が増え、食事の洋風化によって小麦粉や油、砂糖などの摂取が急激に増加した。

また加工食品やインスタント食品も登場し、食品添加物の使用も大幅に増えてしまった。

戦後の食生活の変化に比例して、増加している病気を下記にまとめてみた。

②と③の背景に食生活は含まれていないが、食事を変えることでこれらの不調も改善する可能性があるのかもしれない。

① 生活習慣病(1950年代以降に増加)
背景:高度経済成長による食生活の欧米化・運動不足・ストレスの増加

・がん(特に大腸がん、肺がん、乳がんなど)
・心筋梗塞・脳卒中(動脈硬化による)
・高血圧、糖尿病、脂質異常症(いわゆるメタボリックシンドローム)

② アレルギー疾患(1970年代以降急増)
背景:大気汚染、住環境の変化、化学物質の増加、清潔すぎる生活環境

・喘息
・アトピー性皮膚炎
・花粉症

③ 精神疾患(1980年代以降に顕著に)
背景:ストレス社会・孤独・過労・核家族化など

・うつ病
・統合失調症
・不安障害
・過労死や自殺の増加

吉野敏明さんの「四毒抜き」という食事法はご存じだろうか。

四毒抜きとは、体に悪影響を及ぼす「小麦粉・植物性油・乳製品・砂糖」を摂取しないという食事法だ。

これらの四つの食品は、現代の食生活に深く入り込んでいる一方で、腸内環境の悪化や慢性炎症、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな不調の原因になるとされている。

四毒を抜くことで、腸の機能が回復し、免疫力が高まり、自然治癒力が活性化されるという。まさに、体が本来持つ「治る力」を取り戻すためのリセット食とも言えるだろう。

また日本発祥のマクロビオティックも、食養生や四毒抜きと共通している部分が多い。

マクロビは完全菜食に近い食事法で、動物性食品や乳製品、精製された砂糖や化学調味料を避け、玄米や旬の野菜、豆類、海藻など自然に沿った食材を用いる。

東洋の陰陽思想に基づき、食材や調理法を選ぶことで体と心のバランスを整え、自然と調和した暮らしを目指す。

健康のためだけでなく、生き方そのものを整える哲学的な側面も持っているのが特徴だ。

どの食事法も共通しているのは、現代の何でもアリな食生活から日本の自然環境と歴史から育まれた伝統的な食生活への回帰とも言えるのではないだろうか。

文明の進化の過程で起こった不具合を修正するには、いったんその地点に立ち戻ってやり方を変える必要がある。

現代のさまざまな病気の増加をへらすには、分岐点となった戦後の食生活を見直すことが、いま求められていることだろう。

娘と私たち家族はいれいはりきゅう院式食養生を選んだが、四毒抜きでもマクロビオティックでもその他の食事法でも、自分が取り組んでみたいものならどれを選んでも良いと思う。

まずは基本に則って実践してみることで、自分の体と心が変化するのを感じてみてほしい。

これはやってみた人だけがわかる特別な境地だ。

食を整えることは、自分の体に意識を向けて丁寧に愛情を込めて扱うことでもある。

体の声を聴き、体と仲良くなると、病気を未然に防ぐことができるようになってくる。

そして発症してしまっている病気はそれまでの生き方を見直すきっかけとなる大切な現れなので、食生活を含めた「自分」変えるタイミングが訪れたと捉えてほしい。

ちなみにこれらの食事法は、ワクチンの解毒にも役立つとする研究者もいる。

「食養生」中に食べても大丈夫なOK食材

お米(玄米、胚芽米、発芽米)食べすぎに注意!

無添加みそ(安価なものはNG)

無添加しょうゆ(「オーガニック市場てんぷす」の電子醤油はオススメ)

天然の塩(岩塩はNG)

無添加で天然醸造(静置発酵)のお酢(「オーガニック市場てんぷす」のすし酢はOK)

エキストラバージンオリーブオイルグレープシードオイル

カツオ節、「オーガニック市場てんぷす」の欧風だし

野菜/主に緑の葉野菜
ニラ、ネギ、ほうれん草、からし菜、小松菜、モロヘイヤ、ニガナ、菜の花、カンダバー、つるむらさき、白菜、レタス、雲南百薬、アスパラガス、ハンダマ(金時草)、クレソン、ルッコラ、きゅうり、グリーンボール、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、ヘチマ、モヤシ、玉ねぎ、大根、カブ、セロリ(国産)、カリフラワー、レンコン、ごぼう、里芋、田芋、トウガン(しぶい)他

とうふ、大豆、枝豆、わらで作られた納豆

ニンニク、ショウガ(NGになることもあります)チューブ入りはNGです!

お魚(サンマ、マグロ、サバ、イワシ、アジ、サケ、カツオ、他)

お刺身(わさびはNG)

サバの水煮缶、煮干し(酸化防止剤不使用のもの)

薬草茶(柿の葉茶、桑の葉茶、ウラジロガシ、びわ茶、さし草茶、杜仲茶、ゴボウ茶、韃靼そば茶など)

※ストレスがあるときは1~2日、動物食(肉・魚・卵)をやめましょう

野菜類は自然栽培のものがオススメだが、入手できる範囲で大丈夫とのことだ。

ちなみに私は野菜の農薬を落とすために重曹水を使っている。

小さじ1杯の重曹を水に溶かし野菜を30秒ほど漬けてから流水ですすぐと、残留農薬が落ちやすくなる。

重曹水に長く漬けすぎると野菜の栄養素が抜けてしまうので、その点だけは注意してほしい。

全3回に渡って食養生の体験談を紹介したが、その後「㈳日本オーガニックレストラン協会(JORA)」で食と栄養について学んだ。

JORAは「家庭の料理こそ、食の原点」というテーマで、食から日本を変えることを目指している。

ここで学んだ家庭料理のシステム化オプティマルフードピラミッドは、日々の献立を選んだり成長期の子どもの栄養バランスを考える際に非常に役立っているので、次回の記事にしたいと思う。

text: OMOMUKI magazine / CHAKA MAYO

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